音楽と情報
「星の世界」のメロディーを反復記号などを使ってできるだけ短く表す。何小節に縮めることができるか。現在あるリピート記号やD.C. やFINEを使うだけで、少なくとも4小節分は縮めることができる。同じリズムの反復も多いので、記譜法を工夫すればもっと簡単に表せそうだ。音楽を一つ の情報として見れば、反復のある音楽というのは圧縮可能な情報ということになる。圧縮が可能だということは冗長な情報だということになる。曲の長さに比し て、情報量の多い音楽、情報量の少ない音楽というような考え方ができる。ただし、反復するということも情報の一つである。4小節縮めるためには反復記号と いう別の情報も使わなければならなくなったから、本当に圧縮になっているか。数学的に証明できれば・・・音楽情報理論である。研究ノートがこのへんで止 まっている。先行研究が相当あるのだろうが、ものぐさだからほとんど手をつけていな
私の読書法は斜め読みである。しかし、この本は時間がかかった。行きつ戻りつ・・・。私に基礎知識がないせいもあるが、まさに「森を見る」のではなく、森 の中の木の一本一本を見て行くような本だったからである。
坂野(ばんの)潤治『昭和史の決定的瞬間』(ちくま新書・700円)
この本は、1936(昭和11)年の二・二六事件から1937(昭和12)年7月7日の蘆溝橋までの1年半足らずの政治史を描いた本である。私たちは二・ 二六をきっかけに軍部が力を強めて言論統制をし、蘆溝橋事件をきっかけとする日中全面戦争に突入していった、というおおよその歴史イメージを持っている。 しかし、著者によれば、それはまちがったイメージである。二・二六の1週間前に行われた総選挙でも、また37(昭和12)年4月30日の総選挙でも、自由 主義勢力や社会民主主義勢力が躍進しているのである。著者は言う。
「陸軍が対中戦争か対日ソ戦争の準備に専念していたのは事実であっても、それに対する批判は、衆議院において、また民間言論界の中で、果敢に展開されてい た。「反ファッショ」という言葉も「人民戦線」という言葉も、内務省の検閲にひっかからなかった」。つまり、民主主義の気運は戦前史の中でももっとも盛り 上がった中で、日中戦争全面戦争がはじまったのである。戦争はファシズムが勝利したから起きたのではなく、戦争が民主主義を滅ぼしたのだと著者は言うので ある。まだ疑問な点はある。しかし、なんとなく2004年の現在に通じないか。
余談だが、この本の発行日は2004年2月10日である。実はこの本をもう2月のはじめには手に入れていた。この時間差が結構重要である。雑誌の発売日と 発行日の差のために勘違いをおこすことがあることをこの本の中で著者が述べている。
ひねくれ教育事典【き】の部
きょうじゅ(教授) 教え授けるという行為の意味だが、大学で教え授ける人のこと指す場合もある。「教授学」という学問のことを「教授になるための学問」 と勘違いしている人は結構多い。教授になるにはべつに教授学を勉強しなくても、何らかの学問を極めていればよい。しかし最近では大学教授にも教育の力量が 求められるようになったので、教授学をにわか勉強している教授もいるとか。
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