学生の本
10月29日琉球大学にて。マイクを持っている方が琉球大学の中村透氏(作曲)。その隣の口をポカーンとあけているばかづらが私.
----口をあけて人の話を聞くのは子どもの頃からの癖だが、いつまでたっても直らないものである。
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「例えば日本では、男の子が学校で大便をしてしまうと(汚い例ばかりでスマンね)、小のときと違い個室に入るので、その子が大をしたことがたちまち分かってしまい、それがいじめにつながるという。そして、その恥ずかしさのあまり学校で大便ができず、学校で大便をしないためにお腹が張ってしまう子供もいると聞く。トイレに行くのは人間として普通のことだ。普通のことを普通にして何が悪いというのだろう。これが正論だが、そこに“恥”という感情が入ると、“学校で大便するというのは汚いことで、人に知られたら恥ずかしいことだ”と子供は考えてしまう。そして“大便は恥ずかしい”という概念が子供の間に広く流布する限り、子供は学校のトイレに行くことができない。人間だから当然だという理論は遠く浮遊し、そんなことは言っていられなくなってしまう」
山本李奈『胸を張れ!小心者』(文芸社・2004年・1200円)
弘前大学の女子大学生がエッセイ集を出版したということで、昨年あたりに話題になったことがある。それも自費出版とか、地元の小さな出版社からの出版ではなくて、文芸社という東京の立派な出版社からの出版である。私は、だいたい話題になった本は買うことにしているのだが、この本を買うのはためらっていた。若い女性の書いた本を買うのはなんとなく気恥ずかしいのである。例えば、もう十数年も前になるが、俵万智の『サラダ記念日』を買うのをためらって書店の中をうろうろしたあげく、他の本5~6冊といっしょにしてめだたないようにしてレジに持って行った記憶がある(その頃は俵万智さんは20代だったと思う)。また、今でも柳美里の作品なぞをレジに持って行く時にはどきどきしてしまう。
そんなわけで、また他学部の学生でもあるので読むこともなかったのだが、先日あるイベントがあって著者本人と顔見知りになった。ごく普通の大学生という感じだったが、本の売り上げをずいぶん気にしていたので買って読むことにした。・・・それでも買うのは気恥ずかしかったのだが・・・・
17歳から20歳くらいまでに書き溜めたエッセイ集だという。WEBに掲載した文章らしく、文頭の一マスあきがない。ごく普通の高校生、大学生がごく普通の日常を当たり前に描いているだけなのだが、なんとなくおかしい。それがみなユーモラスに思えるのは、おそらく身の回りに対する観察力と、幼いころから文章を書き続けて培った文章力のせいなのだろう(文章を書くから観察力がつくのか、観察力があるから文章が書けるのかはよくわからないのだが)。そして冒頭に引用したようなちょっと鋭い人生論もところどころにちりばめられている(実は、私もこの話題について「ひねくれ教育事典」に「便所」という見出し語で書いている)。まだ、一刷がはけてないようなので、みなさん、ぜひぜひ買ってやってください。
ただこういう学生が近くにいると、まわりにいる人間、友人や指導の教員はつらいかも知れない。しっかり観察されるから(^^;
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