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2006年11月24日 (金)

なめられている

なめられている?
仲正昌樹『ネット時代の反論術』(文春新書・730)円

冒頭から次のようなことが書いてある。
学校と名のつくところで「先生」と呼ばれる職業の人は多かれ好くなかれ体験されていることだと思いますが、大学の学生さんも、こちらの言っていることをまじめに聴いてくれないけど、そのわりには「批判」だけは一人前にしますので、非常につかれます。
授業中に集中して話を聴いて、かえってから予習・復習しなければ、「分かる」はずなどないことくらい分かりそうなものですが、「僕たちが分からないないのは、先生が分かるように教えてくれないからだ」、と一方的にに言い張る子が多い。「君は、ちゃんとやるべきことをやっているのか」と聞き返しても、それに答えようとしないで、「だって、先生が勉強したいと思わせるような、まじめな教え方をしないから・・・」というようなへらず口で返したらいしてきます。
こういう文を読むと、本当にムカムカとする。もちろん著者に対してではない。本当にこれに近い学生がたくさんいるからだ。そもそも、大学生が自分の専門の授業を受けて「わからない」ということ自体が、とてもはずかしいことなのだ。なぜ、そんなはずかしいことを平気で言うようになったのか。それは、大学がそう言うことを公認しているからだ。

学生による授業評価アンケート。すっかり大学に定着した。お金をかけてやるわりには、ほとんど役に立っていない。それどころか「この授業はわかりやすかったか」という質問があるおかげで、上のように学生を増長される結果になっている。私は、なんども主張してきたが、それも疲れてきた。おそらくこれを一生懸命やっている人たちだって、つまらないことはわかっているのだ。しかし、「学位授業機構」などの大学を評価する機関が許さないのだ。

本の紹介のつもりで書き始めたが、冒頭から腹が立ったのであらぬ方向に行ってしまった。この本にの帯には《「言われっぱなしで悔しい!!」からの脱出》と書かれている。脱出法は確かに書かれているのだが、それ以上に読めば読むほど「悔しい」と思ったことを思い出してしまう。ストレスのたまる本である。

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