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2006年12月16日 (土)

教育基本法改「正」案成立

教育基本法改「正」案が参議院の特別委員会、本会議を通過し成立した。教育基本法は教育に関わる精神を示したものなので、ただちにこれによって日本の教育が大きく変わってしまうわけではない。しかし、今回の改「正」に基づいて、政府・与党は今後さまざまな関連法の改訂を打ち出してくることになるだろう。一つ一つを注意深く見守っていく必要がある。

ただ、教育の問題はなかなか教育関係者以外の国民にはわかりにくい。例えば、この間ずっと「ゆとり教育」批判が行われて来たが、この「ゆとり教育」は国会の議論を経て決まったのではない。学校の教育課程(カリキュラム)や教育内容に関することは、すべて文部科学大臣(実際には文部科学省)が決めることになっているからだ。

学校教育法という法律が改訂される場合は国会で議論されるのだが、学校のカリキュラムや教育内容に関することいついては、学校教育法に次のように記されている。
第二十条  小学校の教科に関する事項は、第十七条及び第十八条の規定に従い、文部科学大臣が、これを定める。
中学校や高等学校についても同様の条文がある。この条文によって文部科学大臣(文部科学省)は、省令である学校教育法施行規則で、それぞれの学校でどのような教科を教えるか、それぞれの教科にどれだけの授業時間をかけるかなどを定めるのである。さらにはその省令である学校教育法施行規則では教育内容について次のような条文がある。
第二十五条  小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。
中学校や高等学校についても同様の条文がある。これによって文部科学省は教育内容を決定する権限をも与えられることになるのである。

つまり、学校教育法と言う法律によって文部科学省に学校のカリキュラムや教育内容を決定する権限を与えているのである。学校教育法のこの規定がある限り、学校のカリキュラムやや教育内容の問題が国会で議論されることはないだろう。そして国会で議論されることがない限り、カリキュラムや教育内容の改訂が国民的な関心になることも少ないだろう。すべてを文部科学省に丸投げするような現在の法律が私は問題だと思っている。

ただ、文部科学省が権限が与えられていると言っても、文部科学省がいつも好き勝手にすべてを決定しているわけではない。文部科学大臣の諮問機関として「中央教育審議会」があり、その審議会を答申に従ってカリキュラムや教育内容が決まって行くシステムになっている。したがって、中央教育審議会やその各分科会、部会、専門部会においてどのような議論が行われているかを注意深く見守る必要があるだろう。

文部科学省も、ここで議論されていることをできるだけ国民にわかりやすく説明する義務がある(昔に比べればかなり改善されたが、まだまだ不十分である)。

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