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2007年4月20日 (金)

凶悪犯罪

凶悪犯罪が毎日のように起きている。つい先日は、イギリス人女性の殺害事件が起きて大騒ぎをしていた。その犯人もまだ捕まっていないのだが、もう忘れられてしまったようだ。かつては世界一安全な国と言われていたのだ。いつからこのようになったのだろうか。

以前紹介した本、E.S.モース(石川欣一訳)『日本その日その日1-3』(平凡社東洋文庫・1970)に次のようなことが書いてある。

人々が正直である国にいることは実に気持ちがよい。私は決して札入れや懐中時計の見張りをしようとしない。錠をかけぬ部屋の机の上に、私は小銭を置いたままにするのだが、日本人の子供や召使いは一日に数十回出入れしても、触ってはならぬ者には決して手を触れぬ。私の大外套と春の外套をクリーニングするために持って行った召使いは、まもなくポケットの一つに小銭若干が入っていたのに気がついてそれを持って来たが、また、今度はサンフランシスコの乗合場車の切符を三枚もって来た。この国の人々も所謂文明人としばらく交わっていると盗みをすることがあるようであるが、内地に入ると不正直というようなことは殆ど無く、条約港に於いても希なことである。日本人が正直であることのもっともよい実証は、三千万人の国民の住家に錠も鍵も閂(かんぬき)も戸紐も-いや錠をかける可き戸すら無いことである。昼間は衝立が彼らの持つ唯一のドアであるが、而もその構造たるや十歳の子供もこれを引き下し、あるいはそれに穴を明け得るほど弱いのである。

遠い遠い明治の時代に外国人が見た日本である。ここまで戻るのは不可能だろうが。

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