校内暴力世代
1970年代の末から80年代にかけて、中学校が荒れていた時代があった。その頃、よく中学校を訪問したが、異様な光景を目にしたことが何度もある。
例えば、大学生(ほとんどが女子学生)といっしょに中学校の授業を見学に行くと、授業中であるにもかかわらず別の教室から生徒が出てきて、女子学生をからかうのである。音楽の授業でも、全員が歌っているはずなのに聞こえてくるのは教師の声だけで、生徒達は思い思いに勝手なことをしている。
生徒が教師に暴力を振るう「校内暴力」と言う言葉が新聞紙上を毎日のように賑わわせていた。ある中学校教師は、その頃を振り返って「とにかく嵐が去るのを待つのみだった」と言う。なすすべなしだったのである。教育学部の中学校課程の学生でも、中学校教員への志願を敬遠した。副免で取得した小学校教員の免許を使って小学校に志願したり、競争率の高い高校をに志願したりする学生も多かった。
その時代の中学生たちの世代が、今、子育ての真っ最中である。
給食費の未納、保育料の未納問題が社会問題になっている。理不尽な要求に学校側がくたくたになっている例もある。短絡は危険だが、偶然とは言いきれないのである。戦後二度目の教師受難時代である。
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