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2007年11月 2日 (金)

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!
昨日は驚いた。中日ドラゴンズ対日本ハムファイターズの第5戦である。私はもちろん広島カープファンなのだが、個人としては落合監督が好きだ(何度か書いてきた)。

昨日は、7時半くらいまで研究室で仕事をしていたのだが、山井投手が7回までパーフェクトピッチングを続けているという情報を知って、テレビが見たくなって急いで家まで帰った(タクシーで帰った)。ちょうど8回の表がはじまった時だったので、7回裏の中日の攻撃の間に帰ったことになる。

8回表も簡単に三者凡退。私は、プロ野球の完全試合をリアルタイムで見たことがない。日本シリーズでは今まで一度もなかったのだから当然見たことがない。そしてひょっとしたら人生の中で最初で最後の完全試合の瞬間が来るかもしれないと、胸を躍らせて待った。

ところが、ところがである。落合監督は、いつもの岩瀬投手にピッチャー交代。そりゃあないでしょう。いやびっくりした。驚いた。

岩瀬投手も3人をピシャリとおさえて、投手二人でパーフェクト。それでも、これを完全試合とは言わない。完全試合を一度でも達成すれば、「完全試合投手」として歴史に名を残すことになるが、山井投手は「完全試合投手だったかも知れない投手」で終わることになりそうだ。・・こんなチャンスはなかなか巡ってこない。

「山井投手自身が交代を申し出た」とかいろいろな情報が流れているが、あそこで続投させるかどうかは監督の判断である。やはり落合監督の判断だとすべきである。しかし、すごい采配である。おそらく私なら絶対にできないだろう。ふりかえってみる。

シリーズ第5戦。今日勝てば優勝。負ければ、3勝2敗で再び札幌へ。先に1勝すればよいのだから、今日負けても圧倒的に有利であることは間違いない。なんといってもエースの川上を温存している。日本ハムには安定した投手がいない。

試合は8回まできて1-0でリード。普通なら、押さえの岩瀬投手を送るところである。しかし山井投手はここまパーフェクトである。確率的に言えば、山井投手が9回も日本ハム打線を0点に抑える可能性よりも岩瀬投手が0点に抑える可能性のほうが高い。だから、落合監督は少しでも確率の高い方を選択した。個人の記録よりもチームの勝利を選んだ。それだけのことなのかも知れない。しかし、よく考えると、落合監督個人にとってはもっとも危険な賭けをしたことになる。

もっとも常識的に山井投手に続投を命じた場合を考えてみる。山井投手が期待通りに完全試合を達成すればどうなるか。それはそれでチームも山井投手も絶賛されることになるだろう。かりに、完全試合が達成されなかったとしても、そのまま勝利すればチームにとっては何の不満もない。

では、山井続投で試合に敗れたらどうなるのだろうか。それでも中日有利にはかわりがない。上に述べたように、エースの川上を温存している。攻撃力、守備力とも上回っている。それに完全試合を達成しようとしていたのだから、落合監督の采配が批判されることはまずなかったはずだ。

それでも、落合監督はあえて山井投手を交代させた。岩瀬投手が今いくら好調とはいえ、絶対と言うことはない。シーズン中には4敗しているのである。もし、岩瀬投手が打ち込まれていたらどうなっていたか。ひょっとしたら、チーム内に微妙な不協和音も響きかねない。シーズンオフには監督の去就さえ問題になってきたのでないか。

そして、勝ってもこの采配をほめる人はほとんどいない。すでの多くのOBや評論家の落合たたきがはじまっている(元監督のあの人など案の定)。朝のワイドショーでも話題になるはずである。2chなどは、すでに1000を超えて読めなくなったスレッドもある。これもはじめから予想できたことだ。

落合監督は、勝っても負けてもリスクの大きい賭けをなぜしたのか。落合ファンの私にすらわからない。おそらくもっと奥深い理由があったと考えるしかない。そしてその理由はけっして誰にも話さないだろう。そこがまた落合監督の魅力でもあるのだが。

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