富士は日本2位の山?
弘前大学の学生が、全国的な音楽コンクールで最高位を獲得したことが話題になっている。快挙である。入学した頃から力があって人一倍努力する学生だったから、当然と言えば当然でもある。
ところが、この最高位というのが「2位」なのだそうだ。審査が点数制になっており、何点以上が1位、何点以上が2位というふうに決まっているので、1点足りずに「1位該当者なし」ということになったようだ。しかし考えるとこれは馬鹿げている。
そもそも1位とか2位というのは集団の中の序列であって、集団の中に1人でもいる限り1位はいなければならないのである。マラソン大会で、最初にゴールした人の記録が芳しくなければその人を2位にできるのか。山の高さの順位に基準をつくって、「4000m以上を1位」などと決めることができるのか。それでは富士山は日本2位の山になってしまうではないか。
小学生の部もある大会のようだが、一体小学生にどう説明するのか。国語教育の観点から言ってもよくないではないか。ちなみにこのコンクールのホームページをのぞくと、最高位が3位とか4位とかいった部門がたくさんある。簡単に1位や2位を出してはコンクールの権威が落ちるということなのだろうが、かえって見苦しい。1位や2位を出したくないのなら、金賞、銀賞あるいは、優秀賞、優良賞のような賞名をつければすむことである。「金賞該当者なし」なら理屈は通る。
音楽のコンクールには時々このようなおかしな賞の付け方がある。もちろん、こんなことにケチをつけるのはひねくれの私だけであって、本人は《点数が足りなかったのは自分の力不足。いっそう精進しなければ》と思っているに違いない。この素直さがなければ人間は成長しない。
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コメント
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お久しぶりです。
仰る通りですね。
これから、その賞について検索してみますが、心積もりしていないと、声を出して怒りそうな気がしています。
投稿: こいで | 2009年2月 3日 (火) 20時40分