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天安門事件20年

天安門事件から今日で20年だそうである。当時の民主化運動の指導者のウーアルカイシ氏が中国に帰国しようとしてマカオに入ったが、台湾に強制送還される見通しだという。

天安門事件のあと、世界は劇的に動いた。同じ年にベルリンの壁が崩壊、ルーマニアのチャウシェスク政権をはじめとする東欧諸国の社会主義政権が崩壊、そして1年後には社会主義の本家本元のソビエト連邦(注)まで崩壊した。

しかし、中国では、何もなかったように共産党一党独裁の政権が続いている。天安門事件などニュースがなければ忘れてしまいそうだ。北京オリンピックも何事もなく無事開催された。しかし一方で、中国は経済的には、社会主義国でも何でもなく資本主義国になってしまった。

天安門事件からさらに20年前。私は大学に入学した頃である。若者の多くは、社会主義を理想の社会と思っていた。幼稚ではあったかもしれないが、毎日のように「革命」「社会主義」「マルクス」「レーニン」「毛沢東」について語り合った。しかし、こんな言葉さえ、日常生活から消えてしまった。私の日常生活の中にも「社会主義」というコンセプトはない。

ただそれでも、私はどこかで社会主義に期待を抱いている(未練がある)。資本主義社会は、弱者(国内的レベルだけでなく、国際的なレベルも含む)の存在なしには成立しえない社会だからである。かつて存在し破綻した社会主義国、既存のイデオロギーとは異なる社会主義を求めるのは幻想か。

(注)私は「理髪店に行って、髭を剃ってくれない国はどこでしょう?」というなぞなぞが好きだった。このなぞなぞができなくなった。

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