六甲トンネルの真上にて
関西学院の本部のある上ヶ原キャンパスと教育学部(聖和大学・聖和短期大学)のある聖和キャンパスは、六甲山脈の一番東端の小高い丘陵地帯に位置しているが、この付近の地下を山陽新幹線が走っている。地図。これが全長16キロに渡る六甲トンネルであり、このトンネルの西端はもう新神戸駅である。この六甲トンネルの東端の真上に「新幹線公園」という小さな公園がある。聖和キャンパスから徒歩で10分くらいのところにあるので帰宅途中に寄ってみた。
公園より新大阪方面
この公園の中央に慰霊碑が建立されていた。この慰霊碑は、1970-72年の山陽新幹線・新大阪-岡山間の工事で亡くなった人たちを慰霊するためのものだった。
碑の背面には、実に54名もの殉職者の名前が刻まれていた。わずかこれだけの区間で54名とはあまりに多くないだろうか(1人でも大変なことだが)。そう言えば、工事が行われていた頃、殉職者があまりにも多いので「まるで人柱だ」と批判していたマス・コミがあったような記憶がある。
新幹線は、脱線、衝突などによる死亡事故が起きていない(起きてはいけない)世界に誇れる鉄道である。しかし、工事ではこれほどの犠牲者を出し、その後も犠牲者を出し続けている。これも交通災害の一つとは言えないだろうか。開業を急ぐあまり、工事計画に無理がないか。鉄道好きの人間としても、これ以上は一人の犠牲者も出ないことを望む。
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ダムに行くと、かならず殉職者の名前の刻まれた
慰霊碑を探してしまいます。
ダムによっては、それこそびっしりと多くの人々の
名前が刻まれていて、胸が痛みます。
投稿: 石原真 | 2009年6月13日 (土) 08時49分
それでも完成当時は日本で最長のトンネルだったそうですから、丹那トンネルや新清水トンネルよりずっと長いんですね。
こんなところにそんな長いトンネルが、と思いますが。
投稿: compUT/OSer | 2009年6月13日 (土) 09時14分
石原さん
私は、ダムの慰霊碑を直接見たことはありませんが、やはりおおくの犠牲者を出しているようですね。本当に痛ましいことです。
compUT/OSer さん
山陽新幹線は神戸市内では、新神戸駅だけ地上に出ていて、そのあと神戸トンネルになって、トンネルを過ぎるとすぐ明石市に入ります。山陽新幹線は、トンネルが多いので「もぐら新幹線」とも言われました。高度経済成長期ですから、これでもうかった企業があるでしょうね。
投稿: 吉田孝 | 2009年6月14日 (日) 02時53分