師走
気がつけば、もう12月だ(「気がつけば」というのは文字数をかせぐために入れただけで、実は6日前に気がついていたのだ)。
今年は猛烈なはやさで一年が過ぎたような気がする。昨年も同じように思った。一昨年もそう思った。その前の年も。毎年ブログにそんなことを書いてきた。ということは、一年がだんだん短くなっているということなのか。
時間がたつのがはやいわりに、いろいろなことがあった。まず社会に目を転じると、オバマが大統領に就任した(私が目を転じなくても、オバマは大統領に就任したであろう。これは唯物論的世界観にもとづいている)。日本では政権交代があり、わたしもちょっとだけ政権交代に貢献した。相変わらず不景気が続いた。たくさんの凶悪事件があった。だが、幸せな出来事もたくさんあった。何組かは知らないが結婚した人もいたはずだ。兼続さんとお船さんが結婚したことは私でも知っている。お船さんは再婚だったと聞いている。40年に1回とかいう日食があった。もちろん28日に1回という満月の日もあった。12月1日が満月だった。次は12月29日である。
個人的にもいろいろなことがあった。4月から新しい職場に移った。ある選挙で落選した(別に立候補したわけではないのだが、やっぱりこれは落選と言うのだろう)。皆さんのおかげで前から念じ願っていた念願がかなった。新しい飲み屋も見つけた。すでに行きつけの店が10軒ほどできた。毎日歯を磨き顔を洗い風呂に入りトイレに入った。歯磨きを忘れた日はあるがトイレを忘れた日はない。
不思議なことなのだが、時間がたつのがはやいのに少し前のことはすぐに忘れてしまう。よく考えると私はこの3月まで弘前にいたのである。弘前時代のことが遠い昔のことのようだ。弘前市学園町にある大学の宿舎に住んでいたこと、「日比谷センター」という似つかわしくない名の建物の中にある酒場で毎日飲んでいたこと、雪の中をあちこちを走り回っていたこと、岩木山の頂上まで自宅から歩いて登ったことなどは、つい昨日のことのように覚えている。しかしどんな仕事をしたかということは何も思い出せないのだ。ひょっとしたら私は仕事をしなかったのではないかと思えるほどなのだ。いや、実はこちらに来てからも、仕事のことは何も覚えていないのである。いやなことはすぐ忘れてしまう、というより忘れたいのである。今日やるべき仕事も忘れたいほどである。
というわけで、今年も心安らかに一年を終えることができそうである。
コメント