芥川也寸志
昨年末に「松本清張生誕100年」の一環として放映された映画「疑惑」(松竹,1982)を観る。桃井かおり、岩下志摩主演、野村芳太郎監督である。何度観ても面白いのだが、芥川也寸志の音楽がよい。
芥川也寸志はもちろんあの芥川龍之介の三男である。映画音楽、とくに野村芳太郎作品の音楽をかなりたくさん手がけている。やはり松本清張の作品である「砂の器」も芥川也寸志が音楽をつけている。「砂の器」は主人公が作曲家なので、芥川がの作品がそのまま主人公の作品ということになる(あの映画は一度音楽に集中して観ても面白い)。
芥川也寸志と言えば、私にとって大切な本がある。
芥川也寸志『音楽の基礎』(岩波新書・1971)
楽典書の中でもこれほど廉価でよい本はなかなか見あたらない。学生の頃に発売されたのだが、それ以来何度も何度も読んだ(ページがはずれて何度も買い直した)。ゼミの学生にも読ませた。
音楽を少しかじった人には分かりきった内容がほとんである。しかしそれでも新しい発見があるし、読むのに骨折れる箇所もある。音楽の勉強(とくに西洋音楽)を志すなら、一度は読んでおくべきだ。
研究をすすめる中でいくつか問題点にも気づいた。しかし、それでも名著である。
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