いただきます
私も一度、このブログでの言葉づかいを注意されたことがあるのだが、最近「いただきます」という言葉が非常に気になっている。
私が使ったのは、「ご心配いただいた方、ありがとうございました」という表現である。「ご心配いただいた」のは「方」ではなく、私である。だから、その心配をした方にお礼を言うなら、「ご心配くださった方」あるいは「ご心配くださり」というべきだろう。
そう考えると、気になることがいろいろでてくる。
あるHPに次にような文があった。
「私たちの事業にご理解をいただいている○○様」
これもよく考えると変である。いただいているのは自分であって○○様ではない。
もっとおかしいのは、次のようにな表現である。
「この列車にはご乗車いただけません」
「このチケットはご利用いただけません」
「いただく」というのは何らかの恩恵を受けるという意味である。この場合は相手がある行為をすることが不可能であること知らせることを、へりくだって自分がその行為による恩恵を受けることができないという言い方に置きかえたものだと考えられる。しかし、これはいくらなんでもへりくだりすぎだろう。
「ご乗車いただけません」と言われたら「いえいえ、私を乗車させることによって、ご遠慮なく利益を得てください」返すこともできそうである。
私は、「ご乗車できません」「利用できません」で平気である。どうしてもていねいに言いたいなら、「ご乗車になれません」「ご利用になれません」でよい。
私自身は、敬語がうまく使えなくて反省ばかりしているのだが、逆にあまりにもバカていねいな言い方も不自然で気持ち悪い。
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コメント
>>私が使ったのは、「ご心配いただいた方、ありがとうございました」という表現である。
これはもう、「ご心配くださった方.....」しかありえませんね。
とはいえ、私も間違って「いただき....」と使ってしまった経験があります。
投稿: 石原真 | 2010年3月11日 (木) 23時47分