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君が代

橋下大阪府知事の新入職員への訓示が報道されている。

大阪府庁では、知事部局の新規採用137人の任命式があった。君が代斉唱などの後、橋下徹知事は「思想、良心の自由と言っている場合じゃありません。国家・国民を意識してもらうため、今後事あるごとに国歌斉唱を求めていきたい」と訓示した。

君が代斉唱は橋下知事の指示で今回の任命式から始められた。知事は「君が代歌えましたか。歌詞わかってますか」と新人職員に問いかけ、「僕が感ずるところ、まだ声が小さい。日本国家の公務員ですから歌うことは義務。しっかりお願いします」と語った。

橋下氏のことはきらいじゃない。が・・・・。橋下氏は歌詞の意味を考えて歌ったことがあるのだろうか。歌詞をきちんと考えると、君が代は大きな声を出して歌うような歌ではないことがわかる。「さざれいしの」「こけのむすまで」は非常に難しいのだ。無理に大声で歌おうとするとだみ声になる。プロの歌手がイベントなどで歌ってもよくこけるのである。

学習指導要領では、「歌唱」の指導事項が次のように記されている。

ア 曲想を味わい,曲にふさわしい表現を工夫して歌うこと。
イ 曲種に応じた発声や言葉の特性を理解して,それらを生かして歌うこと。(2008年版中学校学習指導要領)

「君が代」にふさわしい表現、発声はまだ確立していないのである。私もわからない。それぞれが自分なりに受け止めて自分なり歌えばよいのである。もちろん心の中で歌うのもよい。大声で歌っているとしても、心の中まではわからない。

私自身は「君が代」そのものには何の抵抗もないのだが、「君が代」にかこつけて「思想、良心の自由と言っている場合じゃありません」というような発言をする人や、卒業式で国旗にケツを向けて教師をチェックする人々のほうが、よほどおかしいなあと思ってしまうのである。

※「君が代」をどのように捉えたらよいのか。研究者としては私はかなり真剣に考えているつもりである。一つだけ言えることは、日本人が日常的に親しんで歌っている歌のジャンルの中には入らない曲だということだ。あらゆる面から見て、きわめて非日常的で異質な歌なのである(だからいけないと言っているのではない。そのことを考え直してみたいと思っているのだ)。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

「君が代」のメロディーラインは、確かに現代音楽からすると異質ですね。
音階的にも、成人男子がきちんと歌うには厳しい。

ただ、歌詞の内容は、一青窈さんの「ハナミズキ」と同じように考えても良いのではないかと思います、
江戸末期くらいですと、遊女が客に対して長命を祈って歌った和歌みたいですし。

投稿: えまのん | 2010年4月 2日 (金) 14時50分

「君が代」はもちろん現代の音楽ではありません。
明治期の宮内庁式部寮の伶人(雅楽家)の作といわれています。林広守が楽師長をしていたのでこの人の作と言われていますが、はっきりしたことは分かっていません。

この曲が何旋法でできているかということさえ異なる見解が出ています。雅楽家の作った楽譜では「壱越調律旋法」ということになっていますが、そうではないとう説もあります。

> 江戸末期くらいですと、遊女が客に対して長命を祈って歌った和歌みたいですし。

これもいろいろな見解がありますね。ただ、「国家・国民を意識してもらうため」と言っている人の考えとは違いますね。

投稿: 吉田孝 | 2010年4月 3日 (土) 05時29分

東の都の殿様が、とても「作家」とは思えないような言葉の使い方をされると思ったら、
こんどは西の都の殿様が、これまたとても「弁護士」とは思えないようなことをおっしゃったんですね。
なんとも世の中、わからないものです。

投稿: compUT/OSer | 2010年4月 8日 (木) 00時53分

あの方が弁護士だというのを忘れておりました。

投稿: 吉田孝 | 2010年4月 8日 (木) 11時03分

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