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2010年5月19日 (水)

怒(おこ)らない

東国原宮崎県知事の記者会見がテレビで放映されていた。新聞では次のように報道されている。

口蹄疫の感染拡大を受け、宮崎県の東国原英夫知事は18日、非常事態宣言を発表。「我々は毎日寝ずに話している。(マスコミは)対応が甘かったとか、防疫措置がどうかとかいうが、一生懸命やっている」と時折涙を浮かべ、いら立ちをあらわにした。

記者会見で、今後の防疫について方法や時期を重ねて問われた知事は、顔を紅潮させて「帰ります。ケンカを売っているのはそっちだ」と声を荒らげ、席を立つ場面も。再び席に戻り、その後の質問に「封じ込めに失敗したとは思っていない。感染源は多岐にわたり、完璧なディフェンス(防御)はできない」と強調した。

非常事態宣言では、畜産関係者に対し不要不急の外出自粛や消毒の徹底を要請。全県民に対しても公共施設での消毒徹底や、不特定多数の人が集まるイベントの自粛などを求めている。(「読売」朝刊)

記者のほうも、すぐには答えられないことをしつこく聞いたり、責任を追求したりと、現状からみれば的外れな質問をしていた。「処分かワクチンか」というかについていくら知事が決めることだとしても、すぐにどうするか答えるむしろ軽率だろう。「検討中」というのが当然の答えである。また現在の時点で、最初の対応がどうだったかをいくら追求しても意味がない。今は、マスコミを含めて、この危機をどう乗り切っていくかについて知恵を絞る以外にない。責任追及などはあとからやればよい。

ただ、知事もこんな時に怒ってもしかたがない。「寝ず」「一生懸命」やるのはあたりまえのことである。知事とはそういう責任がある仕事なのだ。記者に当たっても何の解決にもならない。「瞬間湯沸かし器」を自負する私が言うのもおかしいが、こういう場合に一番大切なことはみんなが冷静になることである。大変なことは分かるが、頭に血が上っていては決してよい解決策は生まれない。

県知事ほど思い重い責任を負っているわけではないが、自分にもそう言い聞きかせる毎日。

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