晩節
帰りに、駅中(西宮北口駅)の本屋で新刊の新書を5冊買う。目についたものを買うだけだ。
鷲田小彌太『晩節を汚さぬ生き方』(PHP新書・720円)
「汚れた」とまではいかないが見苦しいとしか言いようのない晩節を送っている人が私のまわりにも結構いる。この本は有名人の晩節いろいろ。嵐寛寿郎には笑った。
著者によると人生には4つの節(前節、中節、後節、晩節)があるらしい。だが、自分の人生をこううまくは分けられない。晩節を汚しても、それで台無しになるような前節、中節、後節が見あたらない。
結びがいい。
晩節を全うする、だれにでもできる簡便な方法は、読書だ。それ以外は見あたらない。
どこにいようと、どんなときでも、何歳になろうと、簡単に幸福になることができるのが、読書である。本さえあれば時間を潰す(過ごす)ことができる。ただし読書は、かなりハードな活動である。その習慣を養っていなければ、知的緊張を保つことができない。しかし、いいではないか。晩節なのだ。読んでいると思えば、眠ってしまっているなんて、恍惚である。耄碌の別名だ。
耄碌 「ぼけ」は漢字でこう書くのだということをはじめて知った。
楡修平『衆愚の時代』(新潮新書・680円)
まあ、新しい主張は何もない。世の中のことは自分が一番わかっているつもりなんでしょうね。
中曽根康弘『保守の遺言』(角川Oneテーマ21・724円)
鷲田の本でも取り上げられているが、この人の晩節をどう評価するのか。やはり老醜か。このブログで、ついこの間ほめたばかりなのだが。
塩野七生『日本人へ リーダー論』(文春文庫・850円)
どこかで見た文章だ、それに題材が古いと思ったら、文芸春秋の連載コラムだった。これを新書で出すのは、反則でしょう。この人のこと、尊敬はするがいつもそばにいると嫌だろうなあ。
門脇厚志『社会力を育てる』(岩波新書・800円)
まだ、ページを開いてない。教育関係の本はどうもページを開くのがおっくうだ。そのうちゆっくり・・・と思っているが、たぶんしばらく開かないだろう。
昨日は充実していた。
朝から、ブログに記事を書き、朝食を食べて、大学に出て、メールの処理をして(メールを見落とすと大変なことになるので)、出版助成金の申請書類をつくり、授業をし、たまっていた事務処理をかたづけ、PEAK先生の部屋で30分ほど話しをし、昼食をとり、中庭で下無先生と立ち話をし、資料のコピーをとり、事務方と関学の伝統音楽教育に関する相談をし、本屋で本を買って、お箏のお師匠さんのところに立ち寄り、和楽器屋さんと和楽器購入について交渉し、家に帰って風呂に入って、一杯飲んだら寝てしまっていた。その間、コーヒーを3杯飲み、ネットサーフィンをし、テレビも観て、トイレにも入って、買った本の拾い読みもした。
充実した日々をお送りですね!見習いたいです。現在96歳の義祖母は、病室でも本を離さないので、やはり読書はいくつになっても大事なのでしょう。私は読むのがあまり得意でないのですが、身体を沢山動かした後は文字に飢えます。読書と音楽鑑賞には、啓示のような力があると思います。
投稿: トミー | 2010年5月26日 (水) 15時28分
> 充実した日々をお送りですね!
文にするとこのくらいになるだけで、実はたいしたことをしていません。ちゃんと時間を工夫すれば半日でおわりそうです。
実は私は、もっと日常はとろくて
ロシア民謡の
「月曜日にお風呂をたいて火曜日にお風呂に入り」
を地で行くようなのろまです。
投稿: 吉田孝 | 2010年5月27日 (木) 06時18分