文部省唱歌100年
昨日、原稿を書いていて思いついたこと。
小学校の共通教材になっている24曲中、「文部省唱歌」と記されている曲は17曲ある。「文部省唱歌」とは、文部省が編纂した教科書に掲載された曲である。当時は作詞者・作曲者の名を記していなかったので、戦後になってこう呼ばれるようになった。共通教材のうち文部省唱歌の初出は次の通りである。
A 尋常小学読本唱歌・全1巻(1910)
B 尋常小学唱歌・全6巻(1911-1914)
C 新訂尋常小学唱歌・全6巻(1932)
D ウタノホン(1941)
(学年は現在の学習指導要領で指定されている学年)
1年
うみ D
かたつむり B
日のまる B
2学年
かくれんぼ D
春がきた A
虫のこえ A
3学年
茶つみ B
春の小川 B
ふじ山 A
4学年
まきばの朝 C
もみじ B
こいのぼり
5学年
スキーの歌 C
冬げしき B
6学年
おぼろ月夜 B
ふるさと B
われは海の子 A
Aの尋常小学読本唱歌は、Bの尋常小学唱歌が完結するまでの間、暫定的に編纂されたもので、読本教科書の韻文に曲がつけられたものである。この曲はすべて次の尋常小学唱歌集にも掲載された。
A、Bを合わせると12曲が、1910年から1914年までに編纂された教科書に掲載されたことになる。
尋常小学読本唱歌が発行されてから、今年はちょうど100年。今歌われている、唱歌の大半が100年前に生まれた曲ということになる。
文部省唱歌100年
何かイベントやりませんか。
もちろん、これを見て何か思いついた人が独自にやるのもよし。
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> 文部省唱歌100年
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いいですね! 乗ります。
投稿: 北山敦康 | 2010年5月17日 (月) 09時22分
なるほど~そうなんですか。学生時代に唱歌と讃美歌の共通点について、レポートを書いたのを思い出しました。たしか讃美歌の旋律が、郷土や母を思う日本人の心にマッチして、歌詞が書きかえられたものもありましたよね。
投稿: トミー | 2010年5月17日 (月) 19時33分
面白い話ですねw
投稿: zain | 2010年6月13日 (日) 01時42分