ドント
どーんと行ってみよう!
国会が終了し、次は7月の参議院議員選挙。参議院は各都道府県選挙区と全国を一区とする比例代表。この比例代表では、ドント方式で議席が配分される。
ドント方式とは、各政党の得票数を1、2、3、4・・・・の自然数で割り、その商の大きいほうから順に当選者を決めていく。簡単にするために、投票総数1000票、定数10と考えてみる。
次のような選挙結果だったとする。
政党 A B C D E
---------------------------------
得票 350 300 250 60 40
---------------------------------
÷1 350* 300* 250* 60 40
÷2 175* 150* 125* 30 20
÷3 117* 100* 83* 20 13
÷4 88* 75 63 15 10
(以下略)
この場合、*のついた数が10番目までに入る。だから、議席配分はA党が4、B党、C党が各3、D党、E党は0である。
ところで、ここで、仮にD党とE党が合同してF党ができ、二つの党に入る票がすべてF党に入ったとすればどうなるのか。計算は省くが、C党が1議席減って、F党が1議席獲得することになる。「ドント方式は小政党に不利」「二つの政党が合併すると有利になる」というのは感覚的に感じていたのだが。
さて、ここからは数学の問題。「合併すると有利になる」ことを数学的に説明すると次のようになるそうだ。
ドント方式による比例選挙で二つの政党 X 、Y が別々に選挙を行うときの得票数をそれぞれ x、y とし、また当選人数をそれぞれ a、b とする。もし X と Y が合併してZという政党をつくり(他の政党は変更なし)、Zの得票数が x + y になるとすれば、Z の当選人数は a + b または a + b + 1 になる。
これは次の本に出ていた。
芳沢光雄『高校数学の教科書上』(講談社ブルーバックス,1180円)
つまり、二つの政党が合併すると1議席分得をするということがあるということだ。
ただし、現実はそう甘くない。得しない場合もあるし、2議席以上得することはない。それに実際は合併すれば必ず合計した票数が出るとは限らない。「あんな政党といっしょになるなら支持しない」という人もいるはずだ。選挙は難しい。
さて、今夏の選挙はどうなりますことやら。
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阿武松部屋が大変だ。親方は元益荒雄。「白いウルフ」と呼ばれ、私と地元が近く好きな力士の一人だった。
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