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続・京都見廻組

見廻組は新撰組と比較されることがある。見廻組は幕臣の集団、新撰組は浪人の集団。どうも新撰組のほうが人気がある。「龍馬伝」には新撰組は出てくるが、見廻組は登場しない。.

という話しは何も関係なく、最後の隊長、岩田織部正(通徳)はその後式部寮(宮中の儀式などを担当する)雅楽課の職員を勤めるのだが、その頃に執筆した『音律入門』(1878、一松堂)という本が現在残されている。この本は、国会図書館近代デジタルライブラリーで閲覧できる(「音律入門」で検索してください)。

また、この本は、その復刻版が江崎公子編『音楽基礎研究文献集』(大空社・1990)にも収められていて、その別巻で東川清一先生が解説されている。この本がなかなかおもしろい。興味のある方は上をクリックして実物を見ていただきたいのだが、何がおもしいかというと内容よりも次の二点
・変体仮名で書かれていること。
・読点の位置が変わっていること。

変体仮名は慣れるまでは大変だが、古文書ほど難しくはない。例えば、最初のページは次のようにはじまる。

たふとしや。音律はしも名称に。日本支那欧洲(ヤマトモロコシオウシュウ)の。異(カハリ)はあれどその音は。みな同一のものとしれ。

読点は、まさに読点である。文がすべて七五調になっており、その区切りに読点がある。

調子よく読ませて、丸暗記させることが目的だったのかもしれない。
全文を現代の仮名に直してみた。間違いなどを発見したら教えていただきたい。

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