教育学は無力か?
3月11日以来、私は今回の震災に関する発言をこのブログでは控えてきた。私のような素人が軽率に何か書けば、その気はまったくなくても知らないううちに被災者を傷つけているかもしれない。風評被害を生み出すかも知れない。原発事故について語れば、根拠のない楽観や過度の悲観を生み出すかもしれない。それが恐かった。
考えてみると教育学はこんな時に無力である。多くの学校が流され、子どもたちの命が奪われ、まだ授業が始められない学校もあるというのに。また、教育学者が今回の震災に際して建設的な提言を行ったということも聞いたことがなかった。例えば、日本教育学会のホームページには「震災」の「し」の字もない。教育学とは一体なんだったのか。
とがっかりしていたら、出色の教育学者が一人いた。私の敬愛する若手(私より若いと意味で)教育学者の藤川大祐氏(千葉大学教授)である。
氏のブログは定期的にチェックしていたのだが、震災などがあってチェックを怠っていて、震災後はじめてチェックした。なんと、氏は2日後のブログで、「震災後、学校でとりあげてほしいこと」という提言を行っていた。。4日後には「各テレビ局へのお願い」を掲載していた。実際にテレビ局へ要望書を出し藤川氏の提言するように改善されたようだ。
藤川氏の要望は5点である(見出しのみで、本文は省略する。氏のブログを見ていたきたい)。
1.今後の放送の方針を発表してください。
2.悲惨な映像の放送を控えてください。
3.基本的に通常編成に戻してください。
4.無責任なバッシングを排除してください。
5.ネットからの情報に積極的に対応してください。
どれも納得できるものばかりである。とくに「悲惨な映像の放送を控えてください」と「無責任なバッシングを排除してください」は私も当時から思っていたことだった。
氏はその後も震災に関して時宜にふさわしい提言をし続けている。感服すると同時に、大いに学ぶことができた。もちろん私自身が提言をすることはできないが、氏の提言をきちんと受け止めたいと思う。
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