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2012年2月21日 (火)

光市母子殺人事件

下書きで書きかけの文が、アップされてました。意味の通らない文を読まれた方にはおわびいたします。

最高裁判決が出て、被告の死刑が確定することになった。重たいニュースだが、これまでのブログで何度が発言してきたので発言せざるを得ない(法律論についてはまったく素人だというもどかしさもある)。

私は、遺族の本村洋さんに対する共感もあり、また弁護団のやり方に不信感も持っていたこともあり(今でも多少ある)、一審、二審の無期懲役判決に不満の気持ちが強かった。しかしながら、今ではその気持ちが少しずつ揺らいでいる。

私は死刑制度そのものには反対するものではない。ただしその選択は慎重であるべきだし、またその執行についても慎重であるべきだと思っている。いかなる判断をもってしても死刑を選択せざるを得ないという場合に限られるべきだと思っている。実際には、戦後の刑事裁判ではそのように慎重に裁判が行われてきたと認識している。しかし、最近の判決では従来の基準よりも重い判決が出るようになっている。そしてそれは、法に基づくというよりも社会全体の厳罰を求める動きに沿っているように思われる。

この事件で言えば、1審2審の無期懲役判決を破棄し、高裁へ差し戻した2006年の最高裁判決では、「犯行時の年齢は死刑回避の決定的事情とまではいえない」として、死刑を前提として死刑を回避するために相当に大きな理由を求める方向を打ち出している。原判決が「無期懲役」だったわけだから、検察側に「死刑にせざる得ない事情」を求めるものと思っていたら、弁護側に「死刑を回避せざるを得ない事情」を求めたのである。それに続く高裁判決、最高裁判決の結果ははじめから明らかだった。

本村さんの判決後の記者会見での発言に共感できるし、この被告を救出したいという感情までは湧いて来ない。それでもやりきれなさの残る判決だった。

ただ、はやくもネット上で、遺族、被告、裁判官(とくに反対意見を述べた裁判官)に対する誹謗中傷がはじまっている。これだけはやめてほしいと思う。

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