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「沈黙」

本棚から、久しぶりに遠藤周作の作品を取り出す。遠藤周作の作品のテーマは、「沈黙する神」「弱者イエス」である・・・・・と私は思っている。

代表作である『沈黙』は、幕府による厳しいキリシタン弾圧の中で、神の存在を問うポルトガル人司祭を主人公にした作品。主人公の神への問いは、「なぜあなたは黙っているのです。この時でさえ黙っているのですか」。

この問いは、作者自身の問いでもある。そして次の一節は、作者自身がたどり着いた答えでもあろう。

「主よ。あなたがいつも沈黙していられるのを恨んでいました」
「私は沈黙していたのではない。一緒に苦しんでいたのに」

震災の日。以前は、すっと心に落ちていたこの言葉も、今はすんなりとは落ちてこない。

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