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資本論

賃金は労働に対して支払われるのではなく、労働力に対して支払われるのだ。労働力の価値は、毎日の労働を維持し(自分の生活費)、さらに未来の労働を維持する(子どもたちの養育費)ための必要経費である。この労働が生み出した価値と労働力の価値との差が剰余価値である。

というのは、昔読んだマルクスの『資本論』の骨子である(間違ってなければ)。マルクスは剰余価値を資本家が手にすることを搾取と呼び問題にした。しかし、マルクスのこの論にしたがえば、人は労働の機会さえ与えられれば、自分の生活を維持し子どもを育てることくらいは可能だということになる。だから、人々の生活は楽ではなくても、資本主義社会は存在してきた。おまけに日本社会では終身雇用が保障されていたので、それなりに幸福感があった。搾取されていることは分かっていても、搾取のないはずの国の実態があまりにもひどすぎた。

今、生活保護の受給額が毎日労働をしている人の賃金を超えることが問題になっている。生活保護費というのはもちろん労働力に対して支払われているのではなく、労働の機会のない人が最低限の生活をする(ただ生きていく)ための費用なので、賃金を超えることはありえないはずだ。生活保護の受給額が賃金を上まわるということは、逆に労働しているのに労働力の価値分すら賃金を得てない人が存在することを意味する。いわゆるワーキング・プアである。つまり、マルクスが問題にした資本主義よりももっとひどい状況が生まれていることになる。そして、この状況は年々広がっていくだろう。

出口はどこにあるか。やはり政治の力しかない思うのだが。

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