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日韓関係悪化を痛む

韓国の李明博大統領の竹島上陸、引き続き天皇に謝罪を求める発言によって日韓関係が急激に悪化した。今回の事態の責任は常軌を逸した李大統領の行動にある。日本政府としては、日本がなぜ竹島を日本の領土の主張するのかを国際社会に対して粘り強く主張することが基本である。

ただ、今回の事態の責任が韓国側にあるとしても、このような事態にまで至ったことは、極めて残念である。というのは、私は2008年度、2009年度に日本音楽教育学会の会長を務めたのだが、その2年間に以前から姉妹学会として提携を結んでいる韓国音楽教育学会とさまざまな交流の機会があったからだ。

1度目は、2008年8月15日に、清州市郊外で韓国音楽教育学会の主催する夏期音楽教育セミナーに招かれ講演を行ったことである。そこでは、ちょうど告示されたばかりの新しい学習指導要領や教育課程全体の特徴について韓国の学会の会員の皆さんにお話した(通訳付)。8月15日という微妙な日であったが、きわめて友好的な雰囲気の中で講演ができた。会員の中から、日本の社会科の教科書問題等について質問が出かかったが、主催者側が音楽教育と関係がないということ中断させるほど、私たちに対しても配慮がされていた。

2度目は、2009年10月の日本音楽教育学会第40回大会に、韓国音楽教育学会の会長招いて、講演をしてもらったことである。ここでも非常に友好的に学会としての交流ができた。

3度目は2010年1月にソウルで開かれた、第2回韓日音楽教育ゼミナールである。ここでは、日韓の音楽教育研究者が一同に集まりそれぞれの研究の交流を行った。その発表の中には、歴史問題を超えて日韓の音楽や音楽教育の交流をするための建設的な提案もなされていた。私は、韓国の音楽教科書について学ぶことができた。

個人的にも、韓国音楽教育学会の会長、役員、会員の皆さんとの交流は有益なものだった。韓国が好きになって、その後韓国に私事旅行もした。このような機会を通して、韓国という国に対する理解ができたような気がしていた。当初は日本に友好的な姿勢を見せていた李明博大統領のもとで、なおいっそう日韓交流が活発になるものだと思っていた。

ところが、今回の突然の事態である。もちろん、このままでは困る人たちがたくさんいる。このままの事態がいつまでも続くとは思わないが、日韓関係が大きく後退したことは間違いない。

学術交流や文化交流が政治と無関係というわけにはいかないだろうが、少なくとも学術の場では冷静な議論がなされるよう期待したい。私は出席しないが、明日から東京で両学会共催の日韓音楽教育ワークショップが開催される。日韓の政治的対立を超えて、充実したイベントになることを望みたい。

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