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4×400m

アジア大会。4×400mで金メダル。

ちょっと話はそれるが、小学生がこれを見たとき混乱するのではないか。日本の算数教育では、4×400という式は間違いである。「被乗数(一つ分の量)× 乗数(いくつ分)」が正しい書き方だからだ。例えば、「4メートルずつ4人がリレーをして走ります。4人合わせて何メートル走りますか」という問題に、 「4 × 400 =1600」と書くとバツである。小学校の先生は、子どもにリレーのことを質問されたらどう答えるのだろう。

素人ながら、私は前々から「原則は乗数×被乗数、ただし交換法則が成り立つので、式を数字だけで書くさいにはどちらでもよい」とすべきだと思っている。理由は次の3点。

1 国際的な理由
国際的には上のように4×400というのが一般的だ。
例えば、英語の場合は次のようになる。
4 times 400

2 日本語の習慣
日本語にも乗数×被乗数で表す言葉がたくさんある。
・四六時中 ・三七日 
そもそも数量を表す 五十、三百、八千などと言う言い方が乗数×被乗数なのだ。

3 中学校や高校で文字を使う段階になると「被乗数×乗数」の原則は壊れる。

実は順序の問題よりも、それぞれの数がどのような意味を持っているをきちんと理解しているかのほうが重要なのである。例えば、「三輪車が4台あります。車輪はぜんぶで何輪でしょうか」という問題を考える。
私は3×4=12 だろうが 4 × 3 = 12 だろうがどちらでもよいと思っている。重要なことは、3が「1当たりの量」すなわち「1台あたりの車輪の量」、4が「いくつ分」すなわち「三輪車の台数」であることが自覚できているかにある。

私は、(素人ながら考えてみるに)、いろいろな問題がおきるのは、かけ算や足し算の計算をするときに、その単位をはずすことから来ているのではないかと思う。
3×4も4×3も単位がなければ単なる数式なので、どちらも同じである。しかし、3、4、12 のそれぞれの背後にある単位を考えさせることでこの問題は解決するのではないか。例えば
 3(輪)× 4(台)=12  (輪)  
は間違いである。輪×台=輪にはならないからである。
ふだんは単位を意識しないので、大学生でも上のように書く人はたくさんいる。
正しくは次の通りである。
 3(輪/台)× 4(台)=12 (輪)
もちろん
 4(台)×3(輪/台)=12(輪)でもよい。
単位を自覚させることによってかけ算の意味は明確になる。
ちなみにリレーは
4(人) × 400(m/人) = 1600(m)
である。

ただ、最初から「1台当たりの車輪の数を「輪/台(りん/だい)」と書く」を理解するのが子どもにとって難しいのか易しいのかはわからない。数学教育の世界では議論され尽くしているのかも知れないが。

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