はなむけのことば
3月18日、卒業式の日にゼミ生に対して読んだ文
(半分はジョークです)
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最後に何か気のきいたはなむけの言葉を送らなければならないところですが、私は人の心を動かすようなことを言うのが苦手です。また、反射神経が悪いので、すらすら言葉が出て来ません。それで今日は、用意した文章を読ませていただきます。
「本日は、卒業おめでとう。いよいよ明日からみなさんも社会人ですね。この4年間の学生生活で、またこのゼミで学んだことをいつまでも忘れずに、仕事にはげみ充実した人生を送ってください」などとは口が避けても言いたくない。
4年間で学んだことなど、これから長い長い人生の中で学ぶことに比べればほんの一握りのゴミのようなものである。少し学んだことがあるとすれば、これから社会に出ていろいろな学習をしていく、そのための学習方法を学んだに過ぎない。それとて不十分極まりないものだ。
これからの長い人生には予想もしないことが待っている。運よく楽しいことばかりの人生を過ごす人もいるかもしれないし、辛いことの連続の人生を過ごす人もいるかもしれない。しかし何が起こっても自分の目の前のことに全力を尽くすしか道は開けてこない。
私は、現在64歳になった。しかしまだ勉強したいこと、人生の中でやり残したことがたくさんある。毎朝4時から7時までは必ず勉強の時間にしている。その
他の時間も出来るかぎり時間を探して勉強している。いつもお酒ばかり飲んでいるわけでない(飲んでないわけではないが)。だから私には、過去の思い出に
浸っているゆとりはない。君たちとの関係も今日で終わりだ。明日からは何の責任もない。今日君たちを送り出したら、君たちのことは忘れるつもりだ。
だから君たちも、今日正門を出たら私のことも全部忘れてほしい。
過去を振り返るな。まっすぐ前を向いて歩け。
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