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文芸春秋(9月号)

『文芸春秋9月号』・・・今年の芥川賞の2作品が掲載されている(そんなことはどうでもよい)。

3つの記事がよかった。

・保阪正康「安倍首相・空疎な天皇観」
保阪氏の著書は数多く読んできたが、イデオロギーに捉われずに、歴史と現実をしっかりと超えた提言をしている。安倍首相やその周りにいる人にとっては、野党よりもこういう人の批判が一番きついのではないか。保阪氏の主張を要約して紹介するのは僭越だと思うのでぜひご一読を。

・中曽根康弘「大勲位の遺言」
97歳だそうである。少し総花的な感は拭えないが、今後の日本の進むべき道に対してさまざまな提言をしている。この人が総理大臣をしている頃、私は「革新」の側にいたので当然大嫌いだった。そして「保守反動」の権化のように思っていた。そして氏は今でも改憲論・核武装論者である。しかし、総理大臣を辞して以後のいろいろな著述をみるとそのバランス感覚に驚く(だから、「風見鶏」と呼ばれたのかもしれないが)。現在の集団的自衛権の問題に関してはもちろんそれを推進する立場にあるが、それについても説得力のある説明をしている。中曽根内閣ならもっとまともな議論ができたのかもしれない。ただ、野党にとってはもっと手強いだろう。安倍首相とは格が違う。

川上千春「妹・川上慶子と私の三十年」

8・12日航ジャンボ機墜落事故。ついこの間のような気がしていたのだが、もう30年。520名の方が亡くなったが、4名の生存者がいた。その中の一人、 川上慶子さん。辛い事故報道の中で、生存者の存在は唯一の明るい希望の光だった。慶子さんが救出される場面に涙した人がたくさんいるのではないか。その慶子さんの兄である千春さんの手記。慶子さんはその後看護師になり、阪神大震災の 時は神戸で被災者の看護にあたり、今は結婚もして家族と幸せに暮らしているという。お兄さんもケアマネージャとして高齢者の世話をしているという。とにか く良かった。

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