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2016年1月 2日 (土)

吉報

一昨日の12月31日、大掃除も終わりあとは年越しを待つばかりという頃になって、吉報が飛び込んできた。

理化学研究所仁科加速器研究センター超重元素研究グループの森田浩介グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)を中心とする研究グループ が発見した「113番元素」を、国際機関が新元素であると認定したというニュースである。

いろいろな報道機関がこのニュースを伝えているが、当事者である理研の広報が一番正確だろう。次のリンクを見ていただきたい。

113番元素の命名権を獲得

この研究の詳細については、私などの門外漢はまったく説明などできないが、それでもその意義は分かる。

(1)元素の周期表を書き換えること、すなわち科学を一歩前進させる研究成果であること。
(2)元素命名権の獲得が欧米以外では初の快挙であり、日本の科学研究にとっても活気的な出来事であること。
(3)スタップ細胞問題で信頼を失った理化学研究所の名誉回復の第一歩となること。理化学研究所は日本の科学研究の重要な拠点であり、したがって日本の科学研究の信頼性の向上にとっても重要であること。
(4)何と言っても、この研究のチームリーダーが私の身内であること。森田浩介は、私のいとこ(父親が兄弟)。

2014年の1度目の成果以来、ずっとこの日を待ち望んできた。その間2度成功したことが伝えられたが、それでも命名権の獲得はならなかった。私自身、和光の研究所を訪ねてその装置を見せてもらったこともある(さっぱりわからなかったが)。何度かメールでもやりとりした。その間に本人は愛妻を病気で亡くしている。「正直落ち込んでいます」というメールももらったことがある。今か今かと待ちながら、10年の月日が流れて行った。

それでも、実験の正しさと命名権の認定について、本人の確信はまったく揺ぎないようだった。最後に会ったのは一昨年の8月。本人の実家にお邪魔していっしょに大酒を飲んだ。その時にも「近いうちに認定される」という確信のある言葉を聞いた。また昨年の8月の国際機関の大会の際に議題に上ったようだが決定は延期された。その時に私から「残念」というメールをを送ると「待つことにはなれている」という返事が返って来た。さらに、正式決定の1週間ほど前の12月26日に一部の新聞で「来年3月に認定か」という記事が流れてた時にも、本人は「まだ確定していない」「3月というのは噂」と言い、いたって冷静だった。

こうなったら、もう「果報は寝て待て」という気になっていたら、今回突然の吉報である。もう舞い上がりそうになった(私が偉いわけでもなんでもなく、私が舞い上がってもしょうがないのだが)。

31日はテレビのニュースを次から次に追いかけた。何度も何度も出てくる本人の笑顔と一瞬見せた涙。私はテレビの前でただ拍手し涙ぐむだけだった。

分野はまったく違うが、私も研究者の端くれ、一瞬がんばらなけりゃとも思ったがあまりにもレベルが違いすぎる。それにもう能力も気力も残っていない。ただただ、お祝いするだけである。

浩介君おめでとう。今度ゆっくり祝杯をあげよう。

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教育」カテゴリの記事

コメント

 そうですか。従弟が喜んでいたのですか。管理人様の関係には研究ばたが多いのですね。日ごろの論理に関して改めて、なるほどとおもいました。おめでとうございます。
 味噌を付けていた理研にとって久しぶりにクリーンヒット、敗色濃厚だったのが逆転できそうな場面まで押し戻せたのかもなどと外野席から私は眺めていただけです。
 一方、私の家系は教育者が多いのです。私は貧乏を嫌いサラリーマンになりましたが。根底に陽明学、だから井上円了や大塩平八郎に憧れるところがあるのでしょう。
 最近ノーベル賞も日本のたくさんの研究者が頂いています。素粒子や宇宙論は日本の研究者の得意分野なのかもなどと考えています。私のバドクラブにもカミオカンデやカグラの教授がいます。彼の直上やその先生もノーベル賞を頂いています。アメリカの研究者との競争や共同研究で大変な毎日を送っているようです。
 ただ私は彼らは私たち庶民の血税を使って好きな研究をしているのだから、庶民に感謝し、決して自分がもたっらと思わずに、国民の代表として頂いたと思ってほしいと言っています。すなわち、その研究は何の役に立つのか上手く説明すべきだと思うべきだとも直接言っているのです。円了はお金はすべて庶民の寄付で講演を続けたのです。
 私が嫌味すれすれで役立つ研究をしてほしいと東大教授のその先生に話すと、先生は大笑いするだけなのです。残念です。
 多くの、超優秀な、先生方がする先端研究は一部の国や産業に役立つだけなのかもしれません。歴史の教えでしょう。湯川博士やマンハッタン計画のように、結局人類の破滅を加速しているだけのように私は考えてしまうのです。
 南無阿弥陀仏。

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