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さくらさくら 日本古謡?

自宅のまわりには、桜の名所が結構あるが、昨日あたりから散り始めた。この散り際も桜の魅力の一つである。

別のSNSで「さくらさくら」(小学校第4学年歌唱教材)があまり知られていないことが話題になっていた。

教科書を調べるてみると、2社ともに2曲目で「さくらさくら」が見事な写真がとともに掲載されている。一社の写真は「これはいったい何の教科書だろう」と思うほど一枚に3ページも使った(折り返し付き)見事なものだ(他に、日本の桜2枚、ワシントンの桜の写真まで)。

しかし、実際に音楽科で季節の歌としてこの歌を取り上げようとすると、なかなかたいへんだと思う。授業が始まる頃には日本の東北・北海道を除いては桜は散ってしまっている。(弘前にいたころはゴールデンウイークがピークだったが、最近は早くなっているようだ)。共通教材だから飛ばすわけにはいかないので、歌唱教材としては、さらっと歌って終わりというところだろう。

この歌は「日本古謡」ということになっている。古いものでは、音楽取調掛が明治20年に発行した『箏曲集』に掲載されているが、箏(こと)の練習曲として使われていた楽曲からとったものらしい。ただ、今の教科書に掲載されているものとは歌詞が異なる。今の教科書の曲は、昭和16年の国民学校教科書「うたのほん下」に掲載されたものだ。なぜ、これが「日本古謡」になってしまったのかはわからない。学会で「日本古謡」の表記を問題にしている人もいた。たしかに「日本古謡」いうのは怪しい話だ。

また、はなやかなさと散りゆく寂しさをもつ桜の風景とこの歌詞・旋律はどうしても合わない。私にはなんとも間の抜けた歌に聞こえる。一社の教科書に「日本の自然の美しさを表した歌として、外国でも有名です」という表記があるが、これが日本の代表的な歌だと思われるのはあまりうれしくない。

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