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この重たい現実を直視できるのか、緊張しながら入館したのだが、その心配は杞憂に終わった。かづゑさんは、明るくたくましい女性でありこの重たい病気ですら自分の力にしているような人だった。
このような明るさたくましさはどこから生まれて来たのか。
ひとつは、周りの人々の優しさ。とくに施設で知り合った素晴らしい伴侶(福岡県直方市の出身らしい)。もう一つは、かづゑさん自身の感性と言葉の豊かさ。10歳から施設(長島愛生園)で暮らし、若い頃はたくさんの本を読んだらしい。たくさんの文章も残している。
でもそれだけではない。まだ、ずっと考えている。もう一度観ると分かるかもしれない。
なお、熊谷博子監督は8年間、長島に通ったそうだ。拍手!
ハンセン病を知るには、見逃せない映画。
この映画、この他神戸の元町映画館でも上映中。
各地での上映予定は、「かづゑ的」で検索すると分かる。
*ハンセン病患者による国家賠償請求訴訟で、2001年に国の責任を認める一審判決が出た時、当時の小泉首相は周りの声を断ち切って、控訴しない決断をした。潔くカツコよかった。その流れはその後の同種の裁判にも引き継がれている。私は、この決断は小泉首相のたった二つの功績の中の一つ(もう一つは、北朝鮮に拉致を認めさせ、7人を帰国させたこと)だと思っている。
G線上のアリア
原曲はバツハ作曲「管弦楽組曲第3番」のアリア。二長調の曲だが、この曲をウィルヘルミという人がヴァイオリンの独奏曲としてハ長調に編曲したものが、ヴァイオリンの第4弦(一番低い弦)1本だけで弾けることから「G線上のアリア」と呼ばれる。(最低音がGの音だから、開放弦が最低音ということになるが、ニ長調のままでもG線だけで弾けるのではないかという疑問を持つのは私だけだろうか? いやそんなことはどうでもよい)
この「◯線上のアリア」という言葉は、小説などにも流用されることが多い。例えば、内田康夫『死線上のアリア』、森村誠一『捜査線上のアリア』などである。単に『◯◯のアリア』ならもっとたくさんある。
というわけで、朝日新聞紙上でこの4月から湊かなえ「C線上のアリア」という小説の連載が始まった。今日で6日目だが、まだ小説は序章だ。これからどんな展開を見せるのか。いろいろ考える。
G線がヴァイオリンの最低音弦なら、C線は、ヴィオラやチェロの最低音の弦。このことと何か関係があるのだろう。想像すると楽しみである。
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